2000年(平成12年)3月現在の全国の電話帳登録世帯(約3千万世帯)を利用して、徳山姓(3,183件)の都道府県別分布を調べ、世帯数および世帯数密度の上位10県について考察しました。
(詳しいデータは「徳山姓都道府県別データ」へ。)

世帯数の順位について

 徳山姓は西日本の姓であることがわかります。また、戦後の都市部への人口移動を反映して、大都市に多い傾向があります。

 第1位の大阪府は、もともと徳山姓の発祥は確認されていませんから、いろいろなルーツの徳山さんがいらっしゃるのでしょう。この中には、「徳山姓のルーツ」でもご紹介した、「創氏改名」による徳山さんも多数いらっしゃると思われます。第3位の兵庫県も同様かもしれません。

 第2位の東京都も、いろいろなルーツの徳山さんの集まりです。多くは比較的新しい、明治以後の都民ではないかと推測されますが、中には、旧徳山村に発祥し、徳川家康の時代に幕臣となった徳山五兵衛則秀の子孫の方もいらっしゃいます。江戸の徳山氏には400年の歴史があります。

 第4位の岡山県は、県北の川上村に「苗字の地」である上徳山・下徳山を有し、14世紀には苗字を確認できますから、岡山の徳山氏には少なくとも650年の歴史があります。ただし、現在では圧倒的に県南部に多く、特に、南西部の笠岡市に集中しているのが特徴です。 笠岡市の徳山氏のルーツは岐阜の旧徳山村という説があります。 詳しくは市区町村別分布のページで。

 第5位の広島県では、圧倒的に南東部の尾道市、福山市に集中しており、岡山県笠岡市と隣接していることから、何らかの関係も想像されます。

 第6位の愛知県には、尾張藩士の徳山氏の流れを引く徳山さんがいらっしゃいます。

 その他、徳山姓ゆかりの地を拾うと、第13位に石川県(松任市、小松市はゆかりの地)、第21位に福井県(福井藩士に徳山姓あり)、第33位に岐阜県があります。ちなみに最下位は山形県の1世帯です。

世帯数密度の順位について

 世帯数では人口の多い県や大都市が大きいのは当たり前ですから、ここでは世帯数密度(徳山姓世帯数の、電話帳登録世帯数に対する割合)で比べてみましょう。全国合計の世帯数密度は0.01083%。約9,200人に一人が徳山姓ということになります。

 第1位は岡山県となりました。0.038%ということは、約2,500人に一人が徳山姓ということになります。最も徳山氏の栄えた県は岡山県ということでしょうか。

 第3位に鳥取県が入ってきました。特定の市町村に集中していますが、詳しくは市区町村別分布のページで。

 第4位は石川県。徳山五兵衛則秀は天正年間(1580年頃)に、相次いで御幸塚城(今江城)、松任城、小松城の各城主を歴任しており、当地の徳山氏はこれと関わりのある人たちの子孫もいらっしゃいます。

 第8位の福井県も旧徳山村と関係あり。旧徳山村は越前と美濃の通路に当たり、宗派などから見て、むしろ越前と関わりが深かったようです。室町時代から戦国時代にかけて越前朝倉氏とも縁が深く、美濃の徳山氏の同族と考えられます。福井藩士にも徳山姓があります。

 その他、九州、沖縄にかなり徳山姓があります。これらの徳山氏の出自については今後の研究課題です。「苗字の地」の一つ、岐阜県は第38位。最下位は山形県です。